『ねらいが多過ぎ、ぼやけ気味』
Studio e・go!製のPCゲーム「キャッスルファンタジア〜エレンシア戦記〜リニューアル」の移植。攻略可能キャラクターが2人増えています。キャラクターデザインはご存知山本和枝女史なので、ファンの方は要チェックでしょう。
ゲーム内容は、アドベンチャー+リアルタイムシミュレーション+育成シミュレーション、そこへ恋愛要素を追加といったところで、盛りだくさんといえばいえるのですが、残念ながらどの要素もキャラクターデザインの魅力に勝るほどではなく、全体としてまとまりのない印象を受けます。
シナリオは、滅びた祖国を仲間とともに復興していく主人公を描いた英雄物語で、敵味方双方の理想のぶつかり合い、友情や裏切り、恋愛といった人間ドラマを中心に、多くの登場人物のサブエピソードを交えて描いているのですが、ファーストプレイに要する時間はメッセージスキップ未使用の場合20時間以上、これをやり応えがあると感じるか、冗長を感じるかは微妙なところです。画面変化に乏しいためか、個人的にはかなりタルく感じました。
リアルタイムシミュレーションパートは、フィールドを一望しながらのコマンド入力が出来ないし、最大11ユニットそれぞれに指示を出すには、ユニットの選択に手間がかかる、ユニットの区別がつきづらいなど、操作性の悪さを感じました。また、ユニットの個性がせいぜい接近戦型か遠距離攻撃型かの違いくらいしか目立たないので、戦略がどうしても単調になりがちなのも残念です。
育成パートははっきり言えば、恋愛攻略の手段以上のものではなく、育成の仕方によって戦闘に個性が出るほどのものではありません。また、11ユニット全てに指示を出さねばならないのは、正直言って辛かったです。
システム面でも、セーブやロードののろさがタルさに拍車をかけています。
ただ、2周目以降は戦闘パートがスキップできますので、攻略対象のキャラクター以外はメッセージスキップしていけば、かなりサクサク進められるのが救いです。
おまけDVDは、松来未祐・金田朋子・村田あゆみによる、実写版ミニドラマと村田あゆみのプロモーションビデオ。ミニドラマ(というよりむしろコント)ははっきり言って学芸会レベルですが、微妙に笑える内容なので、彼女たちのファン以外の方でもそういったものが好きな方なら楽しめるかもしれません。ただ、あえてこれのためにDXパックを購入する意味があるかどうかは微妙ですが・・・